パン作りの始め方を完全解説!|初心者でも分かるパン作り

パン作りを始める際に必要な工程を製パンのプロが全て解説

パン作りの流れにそって『基本の工程』『コツ』を解説し、初心者でも解りやすいように専門用語をあまり使っていません

ある程度の工程を知っておくだけでも初めてのパン作りが成功しやすくなり、これから応用していく時にも役立ちます

パン作り

パン作りの基本的な流れ

概要

  1. 材料を量る
  2. 生地を捏ねる
  3. 発酵①
  4. 成形
  5. 発酵②
  6. 焼き

特殊なパンを除き、パン作りはこのつの工程でできています

工程が多いなと感じるとは思いますが、ちょっと待ってください!!

この6つの工程の半分はほったらかしてたまに様子を見るだけで大丈夫です!

パン作りにかかる時間の目安

パン作りにかかる時間

実は、

パン作りで実際に作業してる時間は初心者でも30分~45分

パン作りはだいたい3時間くらいかかるのですが、そのほとんどが”ほったらかし”の時間になります

(早いイースト菌や酵母を使えば半分以下の時間でできるようにもなります)

さらに、

ミキサーを使い、慣れてくれば15分以内でもできるようになりますよ

つまり!

発酵の待ち時間に掃除や洗濯、買い物にも行けちゃいます

さらに、冷蔵庫で発酵させることで待ち時間を最大24時間まで変更できます

今日生地を作って明日焼くなんてこともできちゃいます

旅行などの遠出はできませんが、家の中での作業や仕事に行くくらいであればそのほとんどを ”パン作り” しながらできちゃいます

パン作りの前準備

  1. パン作りに必要な道具
  2. 道具と手を清潔にする

必要な道具

パン作りに必要な道具
生地を作る時
  • ボウル
  • 生地切り(ドレッジ)
  • はかり(スケール)
生地を焼く時
  • オーブン
  • ベーキングプレート
  • ベーキングシート
  • ミトン(厚手のタオル)

パン作りに使う道具は多岐にわたり、こだわるとキリがないです

しかし、パン作りに必要な最低限の道具は意外と少なく上の7つになります

これらの道具を見て、

意外と家にあるものでできるな と思った方も多いと思います

パン作りに必要な道具って実は、生地切り以外、料理をするご家庭にありそうな道具が多いです

ボールは最悪お鍋で代用できるし、生地切りがなくてもプラスチックの薄いまな板があれば代用できます

オーブンがなくても!と言いたいところですが、作れるパンが限られてしまうのでオーブンは欲しいです

道具について

今ある道具でもパンは作れますが、不便な点が多かったり作れない形などもあったりします

これからパン作りを本格的に趣味にしたり、もうちょっと上手になりたい方は道具を検討してみましょう!

道具と手を清潔にする

手を清潔にする

パンに限らず食品を扱う場合は使う道具・場所・手をきれいにしましょう

道具はアルコール消毒煮沸消毒熱湯消毒等をしておくと良いと思います

ただパン作りをするだけなら

アルコール消毒 or 熱湯消毒で清潔にすれば大丈夫ですが、

もし、

天然酵母を起こしたり、発酵種を使ったり、種起こしをするなど

酵母菌に直接かかわるような上級者向けの製パンをする際には

煮沸消毒をするようにしましょう!

アルコール消毒のやり方

  • 道具を洗いしっかりと乾かす
  • アルコールを全体に吹きかける
  • 清潔な布巾、キッチンペーパー等で拭き上げる

一番簡単な消毒の方法です

道具を乾かしてからアルコールを吹きかけるのが重要です

アルコール消毒はアルコールが蒸発することで消毒しているので、

水と混ざってしまうと効果が無くなってしまうので気をつけましょう!

熱湯消毒のやり方

  • 道具を洗い汚れは取っておく
  • 80℃以上のお湯を用意
  • 10秒以上かけまわす
  • 水を切って自然乾燥

乾燥させる時は下にキッチンペーパーを敷いて乾かしてください

この方法は煮沸消毒程の殺菌効果は見込めませんが、殺菌は可能です

気になる方はアルコール消毒もするといいでしょう

煮沸消毒のやり方

  • 道具を洗い汚れは取っておく
  • 道具が入る大きめの鍋を用意
  • 道具がかぶるくらいの水を入れ強火で沸騰させる
  • 沸騰したらそのまま5分沸騰
  • トングなどで取り出し自然乾燥

煮沸消毒や熱湯消毒は耐熱性の素材でできた道具でしかできないので注意しましょう!

消毒した後はできるだけ早く使用してください

パンの生地は基本的に酸性になるので雑菌が繁殖することは稀ですが、

アレルゲンやその他の異物はどうしようもないのでキレイな状態で作ることを心がけましょう

材料の計量

材料を量る

材料の計量

キレイにした道具を使って材料を計量していきます

計量する順番は乾いている物からやっていき、捏ねる用のボールに随時入れていきましょ!

この方法だと使うボールの数は捏ねる用、量る用(大きいコップでも可)の二個だけにすることができます

計量順の一例

小麦粉 → 砂糖 → 塩 → 酵母 → 卵 → 水

バターは一番最後に量っておく!

バターなどの油脂は特殊で一度生地ができてから練りこみます

なので、水の後にバターを量ります

パン作りの際は冷えたバターを練りこむ方が良いので常温に戻しておく必要はありません

ちょっとしたコツ

最後の水で量る用のボールについてしまった小麦粉を全て流すように量ると、小麦粉が原因で起こってしまう水回りの汚れや配管の詰まりを予防できます。

*パンの基本材料

パンの基本材料

パンは最低限、

  • 粉(小麦、ライ麦など)
  • 酵母(イースト菌など)

4つ があれば作ることができます。

これを聞いて、

砂糖は? 卵は? 牛乳は入れないの?

といった疑問も浮かんでくると思います

パンの材料の疑問についてはこちらで詳しく紹介しています。

このサイトで使っているレシピは卵が入っていないものから全部入れたリッチなものまで

たくさんあるので参考になったら嬉しいです!

レシピ 非公開: 『卵なし』から『リッチ』なパンまで!材料別レシピ一覧

ミキシング(捏ねる)

  1. バター以外の材料を混ぜる
  2. まとまった生地を捏ねる
  3. 冷えたバターを手で握り潰しながら捏ねる

①生地を作る(混ぜると捏ねる)

最初の工程はすごく簡単で、

バター以外の材料を軽く混ぜ合わせてまとめます

なんとなく ”ひとまとまり” になったら大丈夫!

ここから生地を捏ねてグルテンを形成させていきます

パンとグルテンの関係はとても密接で、

グルテンのことを多少知っておくとパン生地作りがより一層楽しくなると思います

”捏ねる”について

一般に「捏ねる」というと力を込めて一生懸命やる印象もあると思います。

しかし、その必要はありません。

力を抜き遠心力を使って生地を伸ばし折りたたむことで、ミキサーと同じように生地を捏ねることができます。

調整中です。

②冷えたバターを捏ね入れる

グルテンが形成され表面がつるっとしてきたらバターを加えます

バターは常温ではなく、冷えた状態の方が好ましいです

バターを生地で包み込み、手の熱で溶かしながら握りこむようにバターを捏ねていきます

ミキサーやホームベーカリーを使っていたら一度生地を取り出して、手で捏ねていくことをオススメします

どうしてもミキサーなどで捏ねたい場合は、

バターを常温に戻しておいた物を使ってください

発酵①

発酵

いわゆる一次発酵になります

この過程がふんわり・もっちりとした食感を作り、パン独特の香りやうま味を生み出します。

大まかな二種類の方法

常温~高温発酵
  1. 室温~30℃で30分前後
冷蔵発酵
  1. 室温で15~20分置く
  2. 余分な空気を抜くパンチ
  3. 冷蔵庫で一晩かけて熟成発酵

常温~高温発酵(30分前後)

こちらは最短ルートで約30分で発酵が終わります。

イーストや酵母の量、温度などによって少し変わってきますが、

だいたい30分を目安にして発酵させましょう

冷蔵発酵(12時間~24時間)

こちらは翌日にパンを焼く方法で、

12時間経ったら24時間経つまでの間いつでも成形できる便利な発酵法です

今日は生地を仕込んで続きは明日にしよう!なんてこともできちゃいますよ

冷蔵発酵させることで

パン生地が熟成し、旨味成分が増え、しなやかで成形しやすい生地になります

成形

成形
  1. 分割と丸め
  2. 生地休憩 室温で15~20分
  3. 成形

①分割(生地を量る)と丸め

発酵させた生地を

  • 60g (編み込みの場合)

で分割し丸めます

丸め方は パンチ を参考にして生地表面を張るように2~3回程度やれば十分だと思います

重量を変更する時は作りたいパンの半分くらいの大きさの生地を量り、

その重量に合わせるのでもいいと思います

②生地休憩

厚手のビニールや固く絞った濡れ布巾を被せて

15~20分程度生地を休めます(室温)

生地は分割し丸めると締まってしまい成形がやりにくいので、緩める時間が必要になります

③成形

成形の一例

生地が十分に休まったら成形を始めます

最初の内は丸め直してそのままオーブンプレートに並べていきましょう

慣れてきたら様々な成形に挑戦してみてください

パンを作りながらできる成形の上達法をまとめましたのでそちらも参考にしてください

発酵②

  1. 成形生地を並べる
  2. 二次発酵 約1時間(室温~30℃)

①成形生地を並べる

オーブンプレートにシートを敷きます

生地は発酵すると直径が二倍近く大きくなるので、

それらを考慮して成形した生地をシートの上に並べます

②二次発酵

室温~30℃でゆっくりと1時間ほど発酵します

早いイースト菌を使う場合は30分前後

温度が高すぎて発酵オーバーになってしまうと発酵臭のきついパンになってしまうので注意しましょう

ご家庭のオーブンに発酵機能がついていれば、30℃、スチーム入りでセットします。ついていなくてもビニールをかけて室温で発酵させます。室温が低い場合は1.5倍程度の時間がかかります

*注意ポイント

オーブンを発酵温度から焼成温度に上げる際に15分以上かかる場合は、少し早めに取り出して室温で発酵させましょう。 発酵オーバーになる可能性を減らすことができます。発酵のピークから15分以上かかってしまうとパンが本当にできなくなってしまいます。

焼成(焼き)

  1. オーブンの温度を上げる
  2. 卵や牛乳を塗る
  3. オーブンで焼く

①オーブンの温度を上げる

約1時間の発酵が終わったら取り出してオーブンの温度を上げます

温度が設定温度に上がるのに15分以上かかる場合や何分かかるかわからない場合は、

二次発酵 の50分くらいで取り出してビニールを被せてオーブンの温度を上げ始めます

他の本やサイトのレシピを参考にする際にオーブンの予熱は+10~15℃がオススメです

②卵や牛乳を塗る

しっかりと溶いた卵や牛乳をハケで生地に塗っていきます

塗らなくても問題ないですが、塗るとパンに艶感が出て綺麗な見た目になります

卵の方が艶が出て綺麗ですが、

手作り感のある優しい焼き色になる牛乳もオススメです!

③オーブンで焼く

予熱したオーブンにパンを入れて焼いていきます

卵や牛乳を塗っているのであればスチームなどはあまり考えなくて大丈夫です

パンに色がつき始めるまでは扉を絶対に開けないでください!

庫内の温度が下がると膨らみかけた生地がしぼみ、中が生になりやすくなります。更にオーブンが設定温度に戻そうとして一気に強火になってしまいます。

その結果、表面が焦げてるのに中に火が通ってないっていう失敗につながります。

オーブンには特有の癖があり、焼きむらや実際の温度が異なります

焼きむらがある場合は焼き時間の2/3くらい経ったら前後を入れ替えましょう

焼きあがったパンは網などに移し冷まします

よかったらこちらも参考にしてみてください!

手作りパンの焼成温度と時間!不味いパンを焼かないための3つの目安

焼き直し方と保存方法

焼き直し方

焼き立てのパンは美味しいというイメージが強いですが、焼き立てはイーストや酵母から出た一酸化炭素によって悪い風味が出ています。水分がパン全体になじんだ ”冷めたて” が美味しいとパン業界では言われています。

焼き立て風のパンが食べたいって方は霧吹き等でパンを湿らせてトーストするといいです。

適切なタイミングでスチームを入れてくれる『バルミューダ』もオススメです。

保存方法

せっかく焼いたパンも保存方法が悪ければすぐにダメになってしまいます。

一番良い方法は ”冷凍” してしまうことです。

パンを冷凍保存すると無添加の物でもだいたい1ヶ月くらいは最低でも持ちます。

このページを読んで新しくパン作りを始める人が一人でも多くいると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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