包餡の極意
パン成形の基礎技術
包餡はパン成形の基礎技術の一つで、日本でパン屋さんをすると必ずと言っていいほど使う技法です
そんな包餡技術が
- 何を意識したら上達するのか
- どんな包餡が上手な包餡なのか
この2つに重点をおいて解説していきます
「Instagram や YouTube等の包餡動画」や「上手な先生がする包餡」のレベルになるにはどうしたらいいのか?
今の包餡が上手にできてるか分からない
こんな感じの疑問を覚えている方は是非最後までお読みください
餡ベラは無くてもスプーンや固めのヘラ等で代用できますが、上達を目指すのであればオススメしません
パンを焼くための装備は通常通りでお願いします
このページでは分かりやすくするために全て餡子と言っていますが、他のフィリングでも同じように包餡することができます
Instagram や YouTube等の動画や実際に包餡が上手な人のやり方などをまだ観たことないよ~って方は
コチラの動画を一度観てからこの後の解説を読むようにお願いします
なんとなくで良いので
工程のイメージができてたら大丈夫です
やっている作業工程はこんな感じ
- 生地を円盤状につぶす
- 球体に餡子を近づけながら
- 左手を意識して包む
- 餡子の高さから少しだけ生地が出る
- 親指と人差し指で中心に向かって
- 人差し指を中心に回しながら閉じる
断面で見た時に
- 餡子が中心にある
- 生地の厚みが均等
外から見た時に
- 生地にハリがある
- 閉じ目に隙間がない
- 餡子が透けて見えない
- 上から見た時に円になっている
- 毎回同じ形を作れる
以上の7つが良い包餡の基準です
これからの解説はこの基準を満たすように成形できるコツです
解説を通して「基準を満たすようにする工程の工夫」も感じてもらえたら一石二鳥だなと思っています
この基準はリオの基準です
しかし、キレイに見える包餡の共通事項なので、この基準で包餡が「できる」技術は習得しましょう

包餡を上手にするには6つのコツがあります
- 生地伸ばしは円を意識する
- 生地周りは中心よりも薄く
- 餡子が球体になるようにする
- 包む時は生地を持った手が重要
- 餡子を閉じ目につけないように注意
- 閉じ目はしっかりと閉じる
包餡が上手な人の成形を見ているとこの6つがほぼ共通してできています
上手な職人さんとかは意識していなくてもやっていた意識すべきコツです

目指すのはひたすらに『円』
生地伸ばしの「平状伸ばし」でキレイな円にするコツは解説したので
忘れてしまった方は是非見返してください
包餡の場合、麺棒で伸ばす必要はないので私は手で伸ばしていますが
円盤状の生地伸ばしができていない方は麵棒を使って
包餡と一緒に練習するのがオススメです
手で伸ばす時も意識すべき点は大きく変わりません
- 真ん中から潰してから周りを潰す
- いきなり完成形までは潰すさない
麺棒での生地伸ばしができて、手で伸ばす時にもこの2つがしっかりとできていれば大丈夫です
特に初心者のうちはここを疎かにすると上手にできません
教えてる方の中にはいびつでも問題ないと言う方がいますが、
それは上手になってからの話…

『生地周り』は生地の中心ではなく、
端っこのことを指しています
包餡の閉じ目は生地が重なる部分になる為、生地の厚さがその分増してしまいます
均一なままだと
- 底面が分厚いあんぱんになりやすい
- 生地が引っ張られて上面が薄くなり中身が透けやすい
この2つを未然に防ぐために生地周りを中心よりも薄く伸ばすようにしましょう
最初に均等に伸ばしてから周りを薄くします
ちょっとした工夫でどちらも防げるようになります
包むのが上手になってきて、最低限の生地だけ引っ張って包めるようになったら均一に伸ばした生地のままでも大丈夫になります(私は今でも生地周りは薄くしています)

予め包みたい餡子を量り、球体状に丸めておくなんてことはやりません
この包餡で一番難しいと感じるポイントは
- 餡子を追加しながら生地の中で球体状に包んでいくこと
- 片手で生地を持ち、片手でヘラを持って餡子を包むこと
この二つが特に難しいと感じる方が多いでしょう
餡子はできるだけ球体になるように調整するのが餡ベラを持った手の役割です
餡子が球体状になっていると
その形に合わせて生地が餡子を包むので
キレイな球体状に包餡ができるようになります
どうしても包餡が難しいと感じる方はこちらの方法で慣れていってください
包む時以外のコツは共通なので簡単な包餡ができるようになったら通常の包餡方法を練習しましょう
包む時についつい餡子を取る餡ベラに意識を向けてしまいますが、
実は包む時に一番意識しないといけないのは「生地を持つ手」
右利きの場合、左手で生地を持ち、右手で餡ベラを持つようにしましょう
どっちの手でもできるのは良いですが、変なクセがついたりするのでオススメはしません
左手を意識すると言っても難しい
意識するポイントは
- 左手で生地と餡子を包むようにする
- 指の腹で生地の端を押し上げる
- 押し上げる指はL字に
上の3つのポイントを押さえつつ、
左手を動かすイメージは餡子の形に添うようにすること
L字にした手の形の中で生地と餡子を回転させながら
生地の端を徐々に窄ませていきます
餡子などのパン生地以外の具材が生地につくと
生地同士がくっつかなくなっちゃいます
これは打粉でも同じことが言えるので
打粉を生地の閉じ目につけないようにも気をつけてください
包餡中の場合、
餡子の量を調整するために追加や減らすために包餡していくので
非常に餡子が生地の端につきやすいです
餡子を追加する時に生地の端につけないコツは
餡子に餡子を乗せるイメージです
逆に減らす時はできるだけ中心から取るようにすると生地の端にはつきにくいですが、
餡子の形がいびつになりやすいので
最初は餡子を3~5g程度少な目に入れて、追加しながら調整するようにしましょう
手に餡子がついてないのも重要

最後に隙間がないようにしっかりと閉じます
隙間があると穴が開く原因や餡子が漏れる原因になります
せっかく包んだ餡子が減ってしまうので、しっかりと閉じるようにしましょう
また、閉じる時に生地を多く取りすぎないように閉じることを意識
底面の生地が厚いと表面が薄くなってしまったり、底面が極端に固いパンができやすくなります
ちなみにここで生地の周りを薄くした効果が出てきます
- 生地を円盤状につぶす
- 球体に餡子を近づけながら
- 左手を意識して包む
- 餡子の高さから少しだけ生地が出る
- 親指と人差し指で中心に向かって
- 人差し指を中心に回しながら閉じる

ここからは包餡ができた上での話!
仕事として成形をする場合や更なる技術向上が目的の方はご覧ください
包餡スピードに差がでるタイミングは3つ
- 生地をつぶす時
- 餡子を入れる時
- 生地を閉じる時
この3つのタイミングを意識して
手早く成形していきます
生地を潰す時に意識する内容は変わりません
- 生地伸ばしは円を意識する
- 生地周りは中心よりも薄く
この状態に少ない手数で完成させます
やってることは簡単なことですが動画を観てもわかる通り一瞬です
真ん中を潰してから周りを潰す
この時に
更にここで疲れない為の一工夫!
体重を乗せるようにつぶしましょう!
腕をまっすぐにして肩で押すイメージです
こうすることで100個200個作っても疲れにくくなります(精神的には疲れるのですが…..)
ここを手早くするコツはズバリ
『一回で必要な量を取れるようになる』
簡単に言っちゃってますが結構難しいです
これができるようになるには『目で見て量る』目分量が重要です
皆さんの中でも覚えがあると思うのですが、
「醤油大さじ1」を毎回量ってたら、
なんとなくこれくらいで「大さじ1」って感覚が身につきませんか?
餡子も同じです
毎回「餡子50g」だと思う量を取ってみて
はかりにのせて誤差分を追加したりします
これを毎回繰り返していると
「大体このくらいで50gかな」
というのが分かってきます
私の場合いつも使っている餡子であれば
「25g、50g、100g」で目分量できます
生地だと「100g、350g、450g、1kg」って感じ
作業工程的には4~6のとこ
- 生地を円盤状につぶす
- 球体に餡子を近づけながら
- 左手を意識して包む
- 餡子の高さから少しだけ生地が出る
- 親指と人差し指で中心に向かって
- 人差し指を中心に回しながら閉じる
この時に
- 閉じ目部分に餡子がついていない
- 手にも餡子がついていない
この2点も重要です
餡子が生地についていると生地同士がつかないので余計に時間がかかってしまいます
閉じる時は特に時間のロスがないように意識して無駄を省いていく必要があります

ここでいう正確性とは
『たくさん作った時に何%上手くできるか』
「上手く」の基準は自分で決めた基準でもいいですが、
参考としてお店で売ってそうなレベルで考えると良い目標になると思います
当然なことかもしれませんが
重量がバラバラな生地や餡子で成形すると
大きさや形もバラバラになりやすいです
重さを揃えてあげることで生地を伸ばした時の生地の厚さも揃います
目で見ただけよりも伸ばした生地が
「自分の親指何本分の直径になるのか」
「手のひらの幅と同じ長さになるのか」
これを覚えておくだけで
毎回同じ【長さ】や【大きさ】に生地を伸ばすことができるようになります
私はこの体のものさしを上手く使えるかどうかが正確性に一番大事だと考えています!
生地や餡子の状態が同じであれば
全く同じやり方をすれば
全く同じあんぱんができます
寸分の狂いもなく全く同じやり方でやるのは流石に難しいので
せめて、手数とリズムは揃えられるようにしよう!
手数とリズムが合っていれば
ほとんど同じ動きが再現できてると思います
『作業工程』
- 生地を円盤状につぶす
- 球体に餡子を近づけながら
- 左手を意識して包む
- 餡子の高さから少しだけ生地が出る
- 親指と人差し指で中心に向かって
- 人差し指を中心に回しながら閉じる
『目指すべき包餡の基準』
断面で見た時に
- 餡子が中心にある
- 生地の厚みが均等
外から見た時に
- 生地にハリがある
- 閉じ目に隙間がない
- 餡子が透けて見えない
- 上から見た時に円になっている
『包餡のコツと意識』
- 生地伸ばしは円を意識する
- 生地周りは中心よりも薄く
- 餡子が球体になるようにする
- 包む時は生地を持った手が重要
- 餡子を閉じ目につけないように注意
- 閉じ目はしっかりと閉じる
『素早くこなすコツ』
- 手数を少なく生地をつぶす
- 餡子は一回で必要な分取る
- 人差し指を中心に回しながら閉じる
『正確性を上げるコツ』
- 使う材料の重さを揃える
- 体のものさしを使う
- 毎回同じ手数とリズム
動画でも分かる通り
包餡自体はそこまで難しくはありません
今回解説したコツや意識でしっかりとやっていけば
やればやるだけ上達していきます
しかし、インスタでも少し解説していますが、
パン成形を上達させるには大前提が5つあります
その大前提がない状態で練習しても残念ながらあまり意味がありません
最低限の生地作りの技術と最低限のパン理論を覚えておかないと
十時間、数十時間成形の練習をしてもほとんど上達しない練習になってしまう可能性が高いので
しっかりとした生地作りの基盤になる「パン作りの基礎的な理論」を勉強することが重要です
Ich wünsche dir alles gute!

パン作り上達特化の「Riopan’sメンバー」
「あなたの抱えてるパン作りの疑問」「教えてる内容に自信を持てない」「習ってる内容と過去に習った内容の矛盾に困っている」そんな方の後押しをして、
1年後、2年後には「何か失敗があっても自分で原因を見つけ解決法を考えられる」「教えてる内容に自信が持て、生徒の質問に即座に答えられる」
その為にはパン作りの基礎的な理論、理論を紐付ける体系的な知識、実際に作った経験を積んでいく必要があります。
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